カメラ・オブスキュラの作り方

で、上の大きい方の虫眼鏡を利用して、カメラ・オブスキュラを作ってみた。


作り方は、とても簡単。30分もあればできる。この超弩級の不器用である僕でも作れるんだから、ほぼ誰でも、もっと綺麗に作れるはず。手順は以下の通り。

  1. 昼間に部屋を暗くして、窓の近くに虫眼鏡を持っていくと、その後ろの壁(あるいは白い紙をおいても良い)に、レンズを通して、窓の外の眺めが上下逆さまに映るはず。上の図(下手な絵でゴメン)みたいな感じ。虫眼鏡を動かすと、ピントがぴたっと合うところがあるので、その距離を大体測る(上の大きな方の虫眼鏡だと27cmくらいだった)。これが、レンズの大まかな焦点距離(本当は、無限遠の眺めのフォーカスが合うところが、焦点距離らしい)。この作業が一番大切。
  2. なにか箱を用意して、その奥行きを、上で計った長さに切る。後で調整できるので、これも大体で良い。
  3. 箱の底に丸い孔を開けて、そこに虫眼鏡のレンズを貼り付ける。これでレンズ部は完成。これだけ。箱の内側は黒い方がいいみたい(今回は面倒くさいからやってない)。
  4. 受像部は、トレーシング・ペーパーでも、曇りガラスでもなんでもいいから、半透明のものを用意する(今回は、半透明のショッピング・バッグ)。
  5. それをレンズの反対側の端に取り付ける。このとき、上記の焦点距離を中心として、前後に調整できるようにしておくこと。遠くを見るときは、レンズと受像部の距離を短くし、近くを見るときは、長くする。今回は段ボールの切れ端で枠をつくって、受像部を作り、はめ込んだ。
  6. 基本的にはこれだけ! あとは、箱を塗るなり、紙を貼るなり、何をしてもいい。

明るい方に向けるとこんな感じ。
窓の外の建物 青空!(ちょっとマグリットみたい) 窓の外の桜の一枝
実物の綺麗さはこんなもんじゃない。とくに木々が揺れるところなんかは大感動もの。写真とカメラ・オブスキュラの違いは、写真がいわば「一瞬」を捉え静止した状態にするのに対し、カメラ・オブスキュラは外界が動くとイメージも動く点にあるから。この点は、クレーリーも『観察者の系譜―視覚空間の変容とモダニティ (以文叢書)』で、確か言ってたと思う。
「親カメラの背中に子カメラ乗せて〜」