2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ポールのアニキ

最近あちこちで絶賛されているポール・ウェラーの新譜『アズ・イズ・ナウ』を買ってきた。確かに格好良い。あとルックスも。なんで腹出てへんの? ちょっと腹立つくらい。彼我の差を感じる。ところでレコード屋のポップに「我らのアニキ、ポール・ウェラー」…

講義x2

大教室での立ち講義二連荘。1限は芸術学部・人文学部共通の「芸術学概論」。視覚文化とヴィジュアル・リテラシーについて扱う。2限は芸術の専門講義の「写真論」。前期の「写真史」を承けて、理論的な側面について扱う。今日は、前期の写真史のおさらい。

覗き絡繰

久保田米僊描く新京極にあった覗き絡繰の図(『明治新撰西京繁昌記』より)。 覗き絡繰とは、大きな箱の中に仕掛けられた絵を、レンズを通して〈覗く〉ものである。その淵源は、前日書いた「覗き眼鏡」にあるが、この覗き眼鏡を大規模にしたものが覗きからく…

乱歩

id:kaerusan:20050923で話題になっていた石塚公昭『乱歩―夜の夢こそまこと』を手に入れた。江戸川乱歩の世界を、自作の人形を撮影して再現するというものである。あのどろどろした世界を再現するに当たって、普通だと暗い画面で、と考えそうなものなのだが、…

講義

1限は大学院の美術史特講。19世紀の視覚文化について扱う。今日はイントロダクションとして、変革の時代としての19世紀の歴史的意義--ヨーロッパ内部における変革と、世界規模におけるヨーロッパのヘゲモニーの成立--を、福井憲彦『ヨーロッパ近代の社…

岡田カントク

『大阪100円生活?バイトくん通信』より。あちこちで書かれているこっちゃけど--『アエラ』にかて「見た目はともかく、岡田監督は知将である」て書かれとるけど--確かにね、あのルックスに騙されるんやね。あんなにみんなを騙すって、ほんまは凄いことちゃう…

新書

新書を何冊か購入。 武田雅哉『「鬼子」(グイヅ)たちの肖像―中国人が描いた日本人 (中公新書)』:中国における日本人の視覚的表象の系譜。『山海経』から抗日運動まで。 牧村健一郎『新聞記者 夏目漱石 (平凡社新書)』:以前書いたが、新聞記者としての漱石…

The Magic Number

あと一つ。デ・ラ・ソウル(3 Feet High & Risingの2曲目)じゃなくて、トラの方。

講義

後期スタート。留学生のための日本美術史。江戸時代から現代までを扱う予定。今日は、イントロとして江戸時代の政治・経済システムの復習。幕府があって、藩があって、身分制度があって、農業が生産のベースで、とはいえ貨幣経済が浸透しはじめて、というよ…

陶猫

後期が始まり、久しぶりに大学に行ったら、情報館(図書館)の前に陶製の猫を発見。そのほか構内のあちこちに豚や犬やさまざまな動物がいた。

覗き眼鏡

A・D・コールマンという写真史家/批評家が、自著のタイトルで「レンズ・カルチャー」という言葉を使っていて(Depth of Field: Essays on Photographs, Lens Culture and Mass Media)、なかなか面白い概念だなと思ったことがある。日本にレンズ・カルチャ…

写真鏡図説

幕末に出版された柳川春三の『写真鏡図説』(1867)に掲載されている写真鏡(カメラ・オブスキュラ)の図。塔がさかさまになる様子がきちんと描かれていて、「物影倒る/暗箱底に/映れる形/理は後編光学の条に出」と説明がある。

ジューシィ・フルーツ

アマゾンに随分前に頼んだジューシィ・フルーツのシングル集『シングルス』が漸く届いた。テクノ・ポップ全盛期と言われていたが、実際にチャート高位に上り詰めたのはこのバンドだけだったと思う。あっけらかんとしたポップでありながら、近田春夫のプロデ…

北斎のカメラ・オブスキュラ

絵本『富嶽百景』より《ふし穴のふじ》。『富嶽三十六景』の成功を承けて出板された絵本で、一枚摺でない分、この絵のようにウィットが効いたものも多い。これは、雨戸の節穴を通じた光が障子に写り、外の富士を逆さまに投影するというもので、当然、カメラ…

学位記

学位授与式で同志社に行き、ガウンと角帽を身に付けて、学位記を貰う。掛け軸の箱みたいな桐箱に入れてくれて吃驚。 その後、視覚文化研究会(http://homepage1.nifty.com/osamumaekawa/shibunken.htm)。引き札についての発表、ボルタンスキーについての発…

Classic II

iPod nanoのCMのパロディ→http://www.the-innercircle.com/mac/macintoshclassicii/ipodspoof320x240.mov。クラシックIIをiPod nanoのように取り合いするんだけど、重すぎて(Impossibly Heavy)、受け止めた側が骨折したりして、結局はお互いいらないと押し…

実体のない影

現代の影絵といえば、高松次郎の「影のドローイング」シリーズ。国立国際美術館の大きな壁画→http://www.nmao.go.jp/japanese/floorpopup/holl_b.jpgも有名である。見ていると、目の焦点が合わなくて、くらっとしてくる。「あえかな」とはこういうもののこと…

素描の起源2

これはライト・オヴ・ダービーによる《コリントの娘》→http://www.nga.gov/cgi-bin/pinfo?Object=61130+0+none。昨日のシュヴェによるものと比べると、静かでダイナミックさに欠ける。ところで、これはウェッジウッド社の創始者、ジョサイア・ウェッジウッド…

絵画の起源

袋はさておいて、痕跡の話に戻りたい(id:kasuhoさんも読んでくれているみたいだし)。 視覚文化における痕跡という話題において、ほぼいつも参照される逸話に触れていなかった。それは、ヨーロッパにおける絵画の起源伝説である。 大著『博物誌』を記したロ…

風景

フランスの研究者カトリーヌ・グルーさん来訪。グルーさんは、日本では『都市空間の芸術―パブリックアートの現在』によって、パブリック・アートの専門家として知られているが、最近は日本近代における「風景」概念の構築に興味を持っているらしく、柄谷行人…

狸の袋好きの国芳。これは《狸の夕立》と題されたもの。急な雨の時に確かに便利だろうが、あまり羨ましくはない。この横には、何匹もの狸が所謂「八畳敷」を傘にして歩いている→http://www.nihombashi.co.jp/menu/heya/gallery/hyosi_sm/94_7.htmlを参照。 …

マンガ

久しぶりにマンガを購入。 いしいひさいち『大阪100円生活?バイトくん通信』 いしいひさいち『戦場にかける恥 (双葉文庫―ひさいち文庫)』 唐沢なをき『がんばれ みどりちゃん(1) (KCデラックス)』

と見せかけて、その2

歌川国芳の《其面影程能写絵》。今度は、緋鯉と金魚と見せかけて・・・ 狸の袋に押しつぶされる狩人。 何を考えてるんだか・・・。ちなみに国芳、相当に狸の袋がお好みのようで、さまざまなネタがある。

ぼっこちゃん

高田馬場にある、やけに安くてヴォリュームがある中華料理屋の「熊ぼっこ」。「ぼっこちゃん」と仲間内では呼び慣わしていた。ほとんど存在を忘れかけてたけど、「吉村智樹の街がいさがし」で取り上げられていた→吉村智樹の街がいさがし ~ご町内の黄金郷~…

蟹猫

北陸には、蟹のかぶり物をした猫がいた。 砺波市美術館で森村泰昌さんと「トーク・ショー」をしてきた。森村さんが、自らの作品とアーネスト・サトウの影響について語ったあと、30分の持ち時間で、アーネスト・サトウの紹介、モダニズムの一般的定義(グリ…

視文研

大学院生を中心に不定期に活動していく視覚文化研究会の頁→http://homepage1.nifty.com/osamumaekawa/shibunken.htm。そのうち音楽の発表もあるだろう。というわけで視聴覚文化研究会。あるいはAV研。

と見せかけて

「たいこもち」の横顔と見せかけて・・・ 弁慶が鐘を持ち上げているところ。 歌川国芳には、このような影絵を利用した戯画がいくつかある。id:morohiro_s:20050914で書いたような幕末の影絵ブームの一端を示すものであろうが、たとえばお座敷などで、幇間な…

足形

「痕跡」展では、いろいろ面白い作品を見ることが出来た。とくにロバート・ラウシェンバーグの、いつも図版に載っているコラージュ作品とは違う、さまざまな痕跡を作品にしたものが興味深かった。これは足形。

人体測定

現代美術で「痕跡」といえば、まず一番に名前が挙がるであろうイヴ・クラインの《人体測定》シリーズ。これは「ポジティヴ」のものだが、輪郭をかたどる「ネガティヴ」のものもある。

影絵の夫妻像

ヨーロッパで流行った影絵は、19世紀になると日本でも流行する。どういう経緯で伝わったかは分からないが。その中でももっとも古いものが、谷文晁による《谷文晁夫妻像》。このあたりについては岡戸敏幸氏のさまざまな論攷に詳しい。氏がサントリー美術館…