商売世界見物

morohiro_s2007-07-20

以前、呉服橋アーケード - 蒼猴軒日録でも書いた清水正巳『商賣世界見物』(誠文堂書店、1924)。図書館を探しても名古屋大にしかなく、ネットの古本屋で検索掛けたみたら、結構安かったので買った。
清水正(正己とも;1888〜1954)は、描き文字考第1章4/20の川畑直道氏の発言によると、商店経営研究の第一人者として活躍していた人らしい。なるほど、ウェブキャットには、いろんな本が出てくる。商店コンサルタントの先駆けといったところか。
で、その彼が、ヨーロッパ、アメリカのさまざまな商店を視察した記録を、『時事新報』に連載したものを、新たに写真入りで纏めたもののよう。百貨店から、チェーン・ストアから、アーケードから、いろんな小売形態が紹介されている。文章も軽妙で、拾い読みしてるとなかなかに面白い。
ちなみに、呉服橋アーケード - 蒼猴軒日録で気になった「呉服橋アーケード」に関しては、ニューヨークのアーケード(パサージュ)を紹介する下りで、「震災後日本橋のクロスから呉服橋の方へ行く処に最近呉服橋アーケードと云ふのが出来た。日本にもそろそろ現はれて来た」と、ちらっと触れられるだけで、それ以上の情報はなし。