商業実修学校と二条富小路殿

時々載せる京都都市史ネタです。


前掲の写真を撮った公園は、「富小路殿公園」といって、夷川と二条の間に富小路柳馬場をぶち抜いて存在する。大きな敷地と、ごっつい名前の割に静かな公園で、あまり人もいない。昨日も連休中というのに、大して人もいない。街中のエア・ポケットのようで、なかなか好きな場所のひとつ。



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この公園には、もともと京都市立商業実修学校というのがあったらしい。大好きなフィールドミュージアム京都 いしぶみデータベースにも載っている→NA110 京都市立商業実修学校跡。北隣には、上記の教会と、今は使われなくなってフェンスで囲われた廃屋となっている京都府の中京庁舎がある。で、その庁舎脇にも石碑があって、そこは二条富小路内裏――1312年に建立され、20年間だけ使われた里内裏――だったという→NA067 二条富小路内裏址。へえ、ここに後醍醐院とかが住んでいたのか。これから「富小路殿公園」という名前が付いたのだろう。


上記データベースをよく読んでみると、二条富小路殿址碑は、1916年に商業実修学校の有志が寄付したもので、京都市立商業実修学校址碑は、2000年にその同窓会が建立したものだという。なんとなく両者の妙な因縁のようなものを感じる。教会のことも考えあわせると、南北朝と近代が交錯した上に、さらに近代の教育制度とキリスト教が隣り合わせる結構興味深い場所なんじゃないかな。


この公園の南の町は、「晴明町」という。安倍晴明と何か関係あるんだろうか?


気付いたら、この公園についても書いていた→富小路殿の主 - 蒼猴軒日録