ゼミ

今日は発表者がいなかったので、近代における洋画/日本画という制度の成立について喋る。さらに制度としての「現代美術」とは何だろうという問題についても語り合う。
日本画や特に洋画は、日展作家などをトップとするヒエラルキー構造の作り手たち、画商/画廊や『月刊美術』などのマスメディアという仲介者、さらにはその愛好家という消費者という生産/流通/消費のサイクルによって制度として確立している。写真もそう。でも現代美術の場合も、売れっ子たちをトップとするヒエラルキー構造は持ち合わせているし、現代美術専門のギャラリー、『美術手帖』のようなマスメディア、さらには愛好家という生産/流通/消費の制度がある点では一緒である。
でもよく考えたら、現代美術の場合は、ヒエラルキーを下から支える無数のアマチュアたち、すなわち日曜画家とか日曜写真家にあたる存在(日曜美術家?)が欠落しているのではないか。でもいま「現代」といわれているものが、将来は普通ものとなって、日曜インスタレーション作家とか日曜流用美術家とか、出てくるかも。『趣味悠々』で「誰にでもできるサイト・スペシフィック・アート」が放映されたりして。スーパーフラット道の家元とかも出てくるかも。あ、もう既にいるか・・・

ラジオ・フリー・クレズマー

以前(id:morohiro_s:20040704)、「Dr. Dick's Dub Shack」というインターネット・ラジオのことを書いたが、他にも面白いのがある。Radio Free Klezmer(http://home.comcast.net/~radiofreeklezmer/)という局。クレズマーとは、東ヨーロッパのユダヤ人たちのなかで育まれた音楽だけど、ジャズと結びついて面白い展開をしている。日本でもドクトル梅津とか、大阪エクザイル(京橋の駅で演奏しているのを見てよかったので、CDを買ってしまった)とかが取り入れている。
クレズマー・リヴァイヴァルの担い手、クレズマティックスとイツァーク・パールマンのジャムをテレビで見たことがあるが、途轍もなく格好良かった。