ゼミ

三回生向けの「芸術学セミナー」の目的は、自分の作品をきちんと言語化してプレゼン出来るようにしようというもの。自作をプロジェクターで映して、素材、技法、主題などを口頭で紹介するというのが第一の課題だった。それが一周したので、今週からは第二の課題である「比較対象をみつけよう」に入る。自分の作品と何らかの関係がある先行作品を見つけて、それと自作を比較し、類似しているところ、違うところを指摘して、自作の特徴を際だたせるという試み。今日はテキスタイルの学生が、主題がよく似た日本画作品(昔の卒展に出品されていたもの)を持ってきた。ディスカッションしていくうちに、型染という技法の面白さが浮かび上がってくる。手による素描を、型紙に移す、いわば「翻訳」する課程が面白い。一種のA/D(アナログ→デジタル)変換。僕も勉強になった。
ゼミには、洋画、日本画、版画、テキスタイル・デザインと様々な分野の学生がいる。普段は全く交流がないらしく、お互いの分野の状況を知らないようだ。しゃべっているうちに、分野分野での指導方法があまりにも違うので、お互い(僕も)驚いている。基礎を大切にする分野とか、コンセプト重視のところとか、随分違う。