生人形

歴博に行った目的は、特別展「生人形と松本喜三郎」(大阪歴史博物館:特別展:生人形と松本喜三郎)を見るため。「いきにんぎょう」と読む。見世物のための強烈にリアルな人形のことである。西洋における蝋人形に当たるのだろう。id:photographology:20040828で、ブライソンの蝋人形論が紹介されているが、この両者は時代がほぼ同じと言うこともあって、引き比べてみると面白いかも知れない。ただ、生人形には蝋人形の脆弱さはない(木彫である)。ただ、身体の断片化について。胴体の部分は衣服を纏うため、多くの生人形は、頭部、両手両足しかない。胴体は紙を貼っていない提灯のようなものがあるだけ。だから、衣服の遺っていないものに関しては、http://www.mus-his.city.osaka.jp/news/2004/ikiningyo/tuika/html/ikiningyo_it-01.htmlの「池之坊」に見られるように、頭部と両手のみが展示されていた。無気味。断片化された身体を見せるのではなく、断片化された肉体を、衣服を持って隠蔽して見せる。殺人事件の隠蔽工作みたい。う〜ん。もう少し考えてみたくなる。