今日の一曲"Echo Chamber"

ビーツ・インターナショナル『エクスカージョン・オン・ザ・ヴァージョン』所収、ポリグラム、1991年
ノーマン・クックは、しみじみ面白いサウンド・クリエイターだと思う。元々はハウスマーティンズ(悪いバンドじゃなかった)のベースだったけれど、ダンス・ミュージックを作りたくて脱退して、ビーツ・インターナショナルとなる。ヒット曲「ダブ・ミー・グッド・トゥ・ミー」で、クラッシュの「ガンズ・オヴ・ブリクストン」のベース・ラインをサンプリングするという卑怯技でパンク好きをノック・アウト(元歌はSOSバンド)。でも心狭いポール・シモノンが、訴える。どうなるかと思ったら和解して、その代わりにクックが「ガンズ・オヴ・ブリクストン」をリミックスするという笑える結末に。
ビーツ・インターナショナルは、レゲエ、ファンクをベースにハウス、テクノ、ジャズなどをごったまぜにした本当に面白いサウンドを作っていた。今日の一曲は、二枚目に収録されていた曲。1989年に暴漢に射殺されたダブの創始者キング・タビーに捧げた曲。凄くダウンテンポなハウスの4つ打ビート(BPM=110くらい)に、高速ラガマフィンDJが絡み、さらに歌い手が「ミスター・タビーが今日死んだ」と歌い継ぐ。で、サビがスティーヴ・ミラー・バンドの「フライ・ライク・アン・イーグル」と渋いところ。またサンプリングされているギター・リフが、ボブ・マーレーの「クッド・ユー・ビー・ラヴド」とたまらん。とにかくツボを押さえている。
クックは、周知の通り、今ではファットボーイ・スリムと名乗ってUKダンス・シーンの大物(というか独自路線かな)となり、最近もいいアルバムを出したところ。
関連日録:id:morohiro_s:20041025#p1/id:morohiro_s:20041011#p2

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