今日の一曲"Billy Preston”

マイルス・デイヴィス『ゲット・アップ・ウィズ・イット』所収、コロンビア、1975年
延々採点とかレポート読みとかをするときには、1コードで延々とグルーヴが持続するものがいい(逆にむちゃくちゃ速くて短いハードコア・パンクでも可だけれど)。フェラ・クティとか、ダブ連続がけとか。今日、ずっと掛けていたのは、マイルスの70年代前半、一時引退する直前のもの。粘っこいファンク・リズムを延々と持続しながら、そこにインプロヴィゼーションが絡んでいくタイプ。特にいいのは、沈黙直前の来日ライヴ・レコーディングの『アガルタ』と『パンゲア』。マイケル・ヘンダーソンのドライヴするベースにのっかって、ピート・コージーとレジー・ルーカスがいやらしく絡む。アル・フォスターはそのバックで、シンバル(ライドではなくおそらくクラッシュ)を叩き続ける。それにエムトゥーメのパーカッション。延々うねるリズムの上で、ソニー・フォーチュンは「ブヒブヒ」と吹き、マイルスは隙間を埋めるように「プヒ、プ、プヒ〜〜」と吹く。だいたい一曲短くて20分、ながけりゃ1時間(LP1枚両面で一曲とか*1)。これはタマラン。でも今日の一曲は、ライヴではなく、ほぼ同じ(サックスはデイヴ・リーブマン)メンバーによるスタジオ・セッションから。ライヴの緊張感はないけれど、リズムがゆるくて、これはこれで気持ちいい。タイトルが何で「ビリー・ブレストン」だったかは忘れた。マイルスがほとんどオルガンを弾いているからかな。

この曲のウェブ上での試聴音源は、現時点見つかっておりません。

GET UP WITH IT

GET UP WITH IT

*1:僕のiTunesに入っている曲を曲の長さでソートしたら、『アガルタ』の「インタールード/ジャック・ジョンソンのテーマ」が二番目に長い1時間56秒。3位以下もずらっとマイルスが並ぶ。で、マイルスを超える一位はというと、桂米朝の一世一代の大ネタ「地獄八景亡者戯」1時間8分40秒。「曲」やないっちゅうの。