映画を見に行った

これこそ何年ぶりか。映画を映画館に見に行った。『パッチギ!』。笑わして泣かせるのが得意な井筒監督の手にまんまと乗ってしまった。俳優の演技もいい。みんな若い俳優ばかりだけれど、巧い。映画を見に行った後、トイレに行ったら、みんな鼻をすすりながら用を足していた。頭の中に「イムジン河」と「悲しくてやりきれない」と「あの素晴らしい愛をもう一度」が回りまくっていた。映画館の出口で、サントラとかフォーク・クルセダーズのCDとか売ったら儲かるだろうに。
ほとんどのロケ地が分かったのも面白かった。荒神口のよしや楽器とか、ピンク映画の八千代館とか。なんといっても見ている映画館の真ん前がロケ地なのが笑った。映画館を出れば、すぐロケ地なので、どっちが現実でどっちが虚構か訳分からん。
色んな人に見て欲しいなと思う。京都という町は、色んな差別が日常的に(たしかに昔ほどあからさまではないにせよ、今でも)あり、それを何となく有耶無耶にやり過ごしている町で、そのあたりのことを考えさせられた。原案の松山猛のインタヴューはここ→http://www.jinken.ne.jp/kyousei/matsuyama/
これは実は京都だけの問題ではない。日本のマスメディアにも当てはまるだろう。なぜ「イムジン河」が放送「自粛」したのか。最近でいえば、なぜNHKは、自粛して(彼らは圧力はなかったといっているのだから「自粛」したのであろう)番組を改変したのか。さて、森達也放送禁止歌 (知恵の森文庫)』でも読み返そうか。