狐忠信

今日は色々動いた。午前中にゼミの受講生の展覧会(gallery)を京都で見て(なかなか面白かった)、そのあと大阪で国際美術館の学芸員さんにこんどの仕事の資料のコピーを頂き、最終的には松竹座で家人と観劇。久しぶりの歌舞伎である。朝昼晩の三回興行で『菅原伝授手習鑑』『義経千本桜』『仮名手本忠臣蔵』の三大狂言を、上方の若手を中心に行うという企画(http://www.shochiku.co.jp/play/shochikuza/0504-2/index.html)のうち『千本桜』を、たまたまチケットが手に入ったので見に行ったのである。佐藤忠信*1(実は源九郎狐)を中村扇雀静御前中村翫雀*2義経片岡進之介など、若手を中心の配役で楽しんだ。
義経千本桜』のなかで、「川連法眼館」は、もっとも派手な段で、忠信に化けた狐が大活躍するというアクション満載の演目である(詳しくはこちら→http://www.shochiku.co.jp/play/shochikuza/0504-2/midokoro.html)。この大層エンターテイニングな狂言を見るのは、実は二回目であった。何年か前に、詳しい配役は忘れたが、中村勘九郎(現、勘三郎)が忠信を演じたのを見てしまっている。僕は、歌舞伎にかんしてそんなに詳しい訳ではないし、観劇経験も限られているが、素人目からしても勘九郎の忠信と、扇雀のそれとの間には、身体制御の面だけでも相当な差があるように感じた。扇雀も決して悪かった訳ではなく、好演であったと思うのだが・・・。まあ、シロートの感想である。
追記:僕は第二部に行ったのだが、第一部には内田樹さんも来場しておられたようである→Archives - 内田樹の研究室

*1:子供の頃、僕はこの忠信の流れであると聞かされたことがある。祖父は群馬の子持村の出身で、その実家にそのような家伝があるとのこと。ほんまかいな。

*2:道行の踊りは、父、鴈治郎。ちょっと老けて、でっぷりした静であった。