ネネ・チェリー

久しぶりにネネ・チェリー*1の「バッファロー・スタンス」を聴いた。1989年のソロ・デビュー作『Raw Like Sushi』(スシのようにナマな)所収。この曲のプロデュースは、ボム・ザ・ベース。今聴いても格好良い。この曲が出た頃、DJみたいなことをやっていて、この曲はしょっちゅう掛けていた。当時は、ソウルIIソウル、ビーツ・インターナショナル、マッシヴ・アタックなど、ヒップ・ホップとレゲエとゴー・ゴーをごた混ぜにしたイギリスのビートを、とにかく気に入っていたのだ。
このネネ・チェリー、来歴が凄い。義理の父はドン・チェリー。最初のレコーディングは、ニュー・エイジ・ステッパーズの2ndで。さらにスリッツにも在籍し、そして伝説のパンク・ファンク・バンド、リップ・リグ+パニックへ(オヤジも参加してたっけ)。要するにポップ・グループ学校の優等生なのである。それがダンス・シーンにやってきたというので、アルバム出て即買いだった。
ラップが「怒れる女性」という感じでキレがある(リリックをあまりにオン・リズムで載せている点は、少し古くさくは感じるが)。で、歌も味があって、ルックスが格好良いというので、一発でやられた。ちなみに、このアルバムのリリース前に女の子を産んだらしく、その名も「タイソン・チェリー」。女の子に「タイソン」って・・・、凄すぎる。
ちなみにすこしあとに出た「レッド・ホット」シリーズの『Red Hot & Blue: Cole Porter Tribute』で、コール・ポーターの「I've Got U Under My Skin』をカヴァーしたものも忘れられない。地を這うような呪術的ベース・ラインに、吐き捨てるようにポーターの佳曲を歌ってしまう(実はこっちの方が好き)。
彼女の初レコーディング、ニュー・エイジ・ステッパーズの「My Love」(『ACTION BATTLEFIELD [帯解説・ボーナストラック2曲収録 /国内盤・紙ジャケット仕様] (BRC96)』)では、澄んだ歌声を披露していて、これもまたいい。
Raw Like Sushi

*1:「ネナ・チェリー」と表記されることも