音楽著作権

増田聡氏の論文「音楽著作権の文化的効果――「大地讃頌」事件を検討する」(『国立音楽大学研究紀要』第39集、2005)が公開されている。去年問題になった作曲家、佐藤眞とPE'Zの間の「著作権問題」に関する論攷である。とくに「4-(2)メディア論的な摩擦」が興味深かった。
「楽譜がそのまま確定された作品を指し示す」クラシックと、「楽譜と演奏の間の差異が創造性の指標となる」ジャズとの作品概念の間の摩擦を指摘した上での、以下の斬り方が明解である。

図式的に述べるならば、楽譜―演奏―録音の過程のなかで、楽譜と演奏の間に
差異を持ち込むのがジャズであり、演奏と録音の間に差異を持ち込むのがロック
であり、録音と録音の間に差異を持ち込むのが、レコードを楽器として用いる
DJによって産み出されるクラブ・ミュージックである、と位置づけることが
できるだろう。

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