ノスタルジア

頁を捲ると、津上英輔氏(http://www.seijo.ac.jp/faarts/da/members/tsugami-e.html)の「過去の現前--感性的範疇としてのnostalgia」(『美学』222号)に、1910年代芸術写真におけるノスタルジアの問題を扱った拙論(「郷愁のトポグラフィー:一九一〇年代日本における風景写真の政治学」『文化学年報』51輯)を引用頂いている。と、驚いたように書いているが、実のところは、氏の発表を聞いた後に「こんなの書きましたぁ」とか言って抜刷を押しつけたのである。考えたら失礼千万な若輩者であるが、非礼にも関わらず言及して頂いて感謝の言葉もない。
そういえば先日、東京に行った際に、東博の前で自転車に乗った氏に偶然お会いした(相当の自転車アフィシオナードらしい)。その時に「言及しましたよ」と仰有って頂いたのだが、何と言っても現物をその時点で見てなかったので、あわあわと訳の分からないことを口走っていたと思う。非礼に非礼を重ねて生きている。
ノスタルジアの問題も、もう一度整理しないといけない。あぁ、果てがない。