Everyday People

最近、いろんな曲の歌詞をネットで検索できるようになっている。いろいろなデータベースがあるみたいで、どれが一番豊富なのかは分からないが、グーグルで曲のタイトルと「lyrics」って入れたら、有名な曲だったら大体引っかかる。
で、昨日、大好きなSly & the Family Stone, "Everyday People"を検索して出てきた歌詞(http://www.hotlyrics.net/lyrics/S/Sly__amp__The_Family_Stone/Everyday_People.html)をちょっと訳してみた。


スライ&ザ・ファミリー・ストーン「普通の人」(アルバム『スタンド!』収録)

僕だって正しい時もあれば、間違っている時もある。
僕が信じていることは、僕の歌のなかにあるんだ。
お肉屋さん、銀行員さん、ドラマー、そして。
僕がどんなグループにいたって関係ない。
僕は、ごくごく普通の人だよ。


緑の人を許せない青い人もいる。
太ってる人と暮らしていて、痩せたい人だっているから。
人が違えば、やることも違う。
他にも他にも、スクービー・ドゥービー・ドゥー・ビー。
ウー・シャ・シャ、僕らは一緒に生きなければならない。


僕はすぐれている訳じゃないし、君だってすぐれている訳じゃない。
僕らは何をしてようと同じだよ
君は僕を好き、僕を嫌い、僕を知っていて、そして。
僕がどんなバッグに入っているか、君には分からない。
僕は、ごくごく普通の人だよ。


短髪が嫌いな長髪もいる。
貧しい人を助けない豊かな人だっているから。
人が違えば、やることも違う。
他にも他にも、スクービー・ドゥービー・ドゥー・ビー。
ウー・シャ・シャ、僕らは一緒に生きなければならない。


白い人を許せない赤い人を許せない黒い人を許せない黄色い人もいる
人が違えば、やることも違う。
ウー・シャ・シャ、僕は、ごくごく普通の人だよ。

Everyday People」を「普通の人」という訳が良いのかどうか分からないけど、まあこんな歌詞。
やっぱり同時代のソウル/ファンク・バンドの歌詞とは相当違うな。「ウッドストック的」というか、ロック/フォーク的というか、「1969」的というか。言葉遊びっぽいところも目立つ。良い歌だと思う。
スライの苦悩っていうのは、のちにフィッシュボーンによって繰り返されるんだけどid:morohiro_s:20051201#p1参照)、スライも白人/黒人っていう二項対立から自由になろうとして、結局はその二項対立に縛られてしまっていたという面があるだろう。で、その苦悩は、鬱々とした『暴動』に結実していくんだろう。
と考えると、もう一方の雄、ジェームズ・ブラウン師の凄まじさが際だってくる。彼の場合は、いわば歌詞の「物語性」を徹底的に破壊してしまって、単語単位に還元してしまうことから、歌詞の「意味」を剥奪してしまう。JBの歌詞読んで感動する人って多分いないと思う。もはや「歌詞」じゃなくって、単なる「音素」だもん(ある意味モダニストだなぁ)。
JB/スライっていうこともまだまだ考えることがありそう。
でも、"Everyday People"って良い歌詞だね、しみじみと。

スタンド!

スタンド!