クラフトヴェルク

ミニマム-マキシマム [DVD]

ミニマム-マキシマム [DVD]

何年か前のライヴ。かつての少壮の神経質そうな科学者たちという風貌から、時を経て、肥えたり、すっかりおつむりが寂しくなったりして、大企業の役員風の風貌に。4台のミキサーやアナログ・シンセサイザーやラップ・トップPCが仕込まれた教壇というか講演台の前で、ほぼ直立不動で、たんたんと「仕事」をこなす感じがいい(はじめ引いた撮影で人形かと思ったら、微妙に動いていて本人達と解った)。昔、彼等の録音は、午前9時から午後5時までで、スタジオにタイムカードがあるらしいというまことしやかな噂があったのを思い出す。微動だにせぬメンバーの一方で、観客は大ノリという不思議なライヴである。
で、映像がずっと映されているのだが、それがいかにも未来派バウハウス構成主義という戦間期アヴァンギャルドの意匠で素敵である。昔の彼等は、明らかに「未来」を指向していたのだが、どの時点からか「過去に未来と思われたもの」を指向するようになった(でも戦間期アヴァンギャルドの意匠を流用してたり、「鉄道」がモチーフだったりする辺り、やっぱりはじめっからレトロ・フューチャーを指向していたのかも)。その開き直りが却って良かったのだと思う。格好ええな〜。
二枚目では、「デンタク」も披露。日本語ヴァージョンで少し楽しそうに歌っている。「ボクハオンガクカ、デンタクカタテニ。タシタリ、ヒイタリ、ソウサシテ、サッキョクスル」。昔は確か電卓型のコントローラーで、シンセを操作してたように記憶している。
現代アートのコレクターとしても知られる「ええ声〜」のおかけんた氏のブログ(http://okakenta.com/blog/archives/2006/01/dvd.html)で見て、即購入。
ちなみに「クラフトワーク」ではなく、やっぱりドイツ語で「クラフトヴェルク」と発音されてたので、上記のタイトルに。