猫写真

写真研究者としてというよりは、猫好きとして行ってみたい写真展。遠くて多分行けないけど・・・

ネコが写っていると、すっかり写真というメディアが透明になってしまって、対象にストレートに目が行き、「ねこ〜」と目を細めてしまう。それはラルティーグでも、中平でも一緒。研究者としては、いかん、仕掛けをみなきゃとおもうんだけど。
で、岩合光昭はやっぱり巧い。さすがネコ写真のパイオニアである(その「巧さ」がどこにあるのか、一度考えないと)。いわゆる動物写真やネイチャー・フォトの業界では、体を張ってライオンやマンドリルを撮ってなんぼのもんで、そこいらにいるようなネコを撮るなんて、そのヒエラルキーのなかでは地位が低かったらしい。「危険度」で写真の質が語られるという面白さ(そのトップには、当然星野道夫がいる)。そんな中で、猫写真の地位を上げるため、頑張ったと岩合氏自身が、なにかの写真集の後書きで語っていた(でも、最近はヴィデオを使ってワイルド&危険ワールドに進出してるみたいだけど)。本人のサイトは、こちら→このページは表示できません :オリンパス。思わず会員登録してしもた。

ニッポンの猫 (新潮文庫)

ニッポンの猫 (新潮文庫)

地中海の猫 (新潮文庫)

地中海の猫 (新潮文庫)

そういや『What’s Michael?9巻め (KCデラックス)』にも、「岩合光昭(いわごうみつ・あきら)」として、マイケルと絡むネタがあったっけ。


ネイチャー・フォトの世界って、多くの写真家がいるし、多くのファンがいる訳だけど、まともに語られてこなかったように思う。ワイルド・ライフ写真というのは、19世紀のハンティング写真や、『ナショナル・ジオグラフィック』誌という発表媒体のことを考えると、結構、地理学写真との関係も深いと思うし、もう一方で、猫(や犬)の写真というのは、アマチュアの格好の主題(僕自身も含めて、ウェブには猫写真が溢れている)である訳で、家族写真と絡めて、その方から攻めても面白いかもしれない。


ちょっと変化球の猫写真集ならこちら。家の猫ではなく、街猫への視線は、当然のごとく容易に路上観察系のまなざしと結びつく。

猫はどこ? (講談社文庫)

猫はどこ? (講談社文庫)


(追記) さっき星野道夫(→星野道夫公式サイト)の名前を出したが、彼の語られ方というのは、カルティエブレッソンの自分語りなどと併せて、「写真家の語られ方」という視点から興味深い。最近、写真家に「狩人」「ハンター」というメタファーが多く使われるのはなぜかということにも興味があるので。