書き込み

morohiro_s2006-06-05

『猫の大虐殺』を古書で買ったら、鉛筆で線が引いてあった。
人によっては、こういう書物への書き込みを嫌う人もいるし、その気持ちは充分分かるけど、僕はそう嫌いでもない(まあ、字が消されていて読めないのとかは問題だけど、この程度だと大丈夫)。むしろ、この本が、ある一時期、誰か他人の手にあって、その人が研究のためか、あるいはレポートのために線を引いて、そして、その本が不要になって手放したという「モノの社会生活」が、「線」という痕跡によって可視化されているような気がして、そういう想像力をかき立てるところが面白いと思うモノの社会生活 - 蒼猴軒日録も参照)
明治初年に出た京都の買い物案内を持っているのだけど、店の名前が白で消されていたり、あるいは手書きで店の名前が付け加えられたりしていて、実際にそういう本がどのように使われていたかが見えて興味深い。まあ、白で消してあるのは問題だけど、図書館でチェックすればいいことだし。
そういえば、アメリカの大学では高価な教科書が多く、特に理系などは、100ドル以上することがよくあって、学生にとっては負担がおおい。で、そういった本を、大学の書店が下取りして、中古教科書を売るというシステムがあった。あれも当然線とかが引いてあるんだけど、そういった書き込みのあるものは安い上に、さらに勉強する時にポイントが示されているので便利というメリットもあったな。見当違いのところに引かれている場合もあったけど。