ポロックの踊り描き

揚げ足取りだけど。朝日新聞のウェブに載った、ジャクソン・ポロックの作品が史上最高額で取引されたって記事で。

ポロック踊るように描くアクション・ペインティングを通した抽象表現主義の代表的な画家で、キャンバスに缶から絵の具をしたたらせる手法で知られる(http://www.asahi.com/culture/update/1104/001.html/強調は佐藤)」

踊ってたっけ、ポロック……。ペンキ缶と筆を持ったポロックが、新体操のリボン演技をしてるところを想像してしまった。これじゃ、アクション・ペインティングの作家全員が、制作の時に踊ってたか、踊りに近い身体運動をしていたかのように思えてしまう(もっと細かいことを言えば、アクション・ペインティングじゃない抽象表現主義だってあるし)

実際はこの程度の動き。


ニュース・ソースのNYタイムズの記事はこちら→Carol Vogel, "A Pollock Is Sold, Possibly for a Record Price"(登録者のみ閲覧可能:無料)。ここには「踊る」とは出てないな。
あっ、ネタ元はここかな? →ジャクソン・ポロック - Wikipedia。でも、ここでは、「踊るように描く」っていうのが比喩的表現だっていうのが伝わっている。


ちなみに、宅配された活字版を見たら、以下のように変わっていた。

ポロックは抽象表現主義を代表し、塗料をキャンバスにしたたらせて描くアクション・ペインティングで知られる」(『朝日新聞』2006年11月4日付、13版、6面)

ほぼ妥当な記述になっている。校正の過程というものを見た感じ(細かいことを言うと「……描くドリッピング――アクション・ペインティングと評される――で知られる」だろうけど)。このようにちゃんと訂正されると、僕がほんまに揚げ足とりしてるみたいで、ちょい恥ずかし。


ちなみに上の動画はコンヴァースのオールスターのCMらしい(ポロック自身かな、それとも映画〔ポロック 2人だけのアトリエ コレクターズ・エディション [DVD]〕版か?)。なかなか洒落ている。曲は、コルトレーンとエリントンの「イン・ア・センティメンタル・ムード」デューク・エリントン&ジョン・コルトレーンって、渋い選曲。