京焼展

今日は、日本美術史(留学生向け)を連れて、京博の平常陳列へ(今日は無料の日)。やっぱ、教室で話すだけでなく、たまには外に出るのもいい。
今日は、黒谷(金戒光明寺)の《山越阿弥陀》が出てた。臨終儀礼のために用いられたもので、阿弥陀の手のあたりに臨終の人に握らせるための紐が出ている。奈良のKさんの説明付きで見てみたい。あと、若冲の《果蔬涅槃図》、蕭白もいろいろ。


で、その前に、京焼展も。あちこちで、キャプションがすごいって聞いてたけど、その通り。でも、思い入れたっぷりの語調は破格だけど、あれだけ詳しい説明があると、門外漢でも分かりやすい。日常性ではなく「高級」というイメージで売ったが故の、京焼というマテリアル・カルチャーの興隆と衰微という側面は面白かった。


仁清とか乾山とか道八などのいわゆる名品に混じって、ハートを鷲づかみにされる一点が。ゲテ琴線が弾かれて鳴ること、鳴ること。明治のジャポニスムを当て込んだ京薩摩などの派手派手しい陶磁の数々の中にあった《金彩銹絵染付風景写真転写合子》。ヴィクトリア&アルバート美術館所蔵のもので、知恩院の山門などの京都の名所写真を焼き付けたもの。「おぉぉ」とひとりで盛り上がってしまった。明治以降のものが出てると知って面白いかなと思っていったんだけど、こんなものがあるとは思ってなかった。ラッキー。
京都でいち早く銅版転写の技法化に成功したという丹山青海、あるいはその次男・睦郎という人のものらしく、フィラデルフィア博に出品されたものとか。その辺りもいずれ調べてみたい。