自らを演ずる

TOKIOに提供した「宙船」を試聴してみたら、中島みゆきの「ナカジマミユキ化」が進んでいて驚いた。昔はもう少しさらっと唄っていたとおもうのだけど。
こういうのはよくよくあることで、矢野顕子の「ヤノアキコ化」とか、萩原健一の「ショーケン化」とか、トム・ウェイツの「トムウェイツ化」とか。「勝手にシンドバッド」を久しぶりに聴いてみたら、桑田佳祐も結構さらっと唄っている。いまモノマネ*1で、こういう唄い方したら、多分似てないって言われると思う。
モノマネといえば、昔、ザ・ぼんちのおさむの真似によってなんか最ブレイクした橋幸夫が、必要以上に首を振りながら、「潮来笠」を唄ってたのを思い出す。まさにモノマネという表象によって、表象の対象であった人間が変わってしまったんだろう。橋の例は意図的なものだったとしても、結構そういうのってあるんじゃないかな。児玉清も「コダマシヨシ化」していってるのかもしれないし。「京都人の京都人化」ってのもそれに似ている事象だろう。

*1:俳優や歌手の特徴を真似るのは、芸の世界では、本当は「物真似」とは言わずに、「声色」というらしいんだけど。「物真似」っていうのは、江戸屋猫八・小猫みたいに動物やまさに「モノ」の真似をすることを言うみたい。中川家の礼二がやる新幹線のトイレの音や山口智充の花火の真似がそれにあたるんだろう。だから、一応カタカナで表記してみた