プローン法、その2
プローン法 - 蒼猴軒日録の続きを少し。
「(1)考察の対象を選ぶこと」に続いて、分析/解釈のきっかけとして、対象の目に見えるさまざまな属性をどのように観察するかという話になる。「対象を分析の俎上に乗せる前に、どのようにして、潜在的な文化的表現性を計測することができるだろうか」。そしてその対象が、文化的にどのようなものを隠し持っているかは、「対象と人間の基本的な経験のいくつかとの間のつながり――形式的、イコノグラフィ的、機能的といった――に依存する。それが、物理的な世界との関わりであろうと、他の個との相互作用であろうと、自我の感覚(よく擬人的に表される)であろうと、一般的な人間の感情であろうと、重要な人生のなかでの出来事であろうと」(プローンの未刊の論文より)。
続いてプローンは、「対象に対するメタファー」の可能性として、以下の例のようなさまざまな二項対立を挙げる。
- 生/死(死すべき性質)
- 男性/女性
- 私的(見る、見られる)/コミュニケーション
- 力/統制の欠如
- 受容/拒否
- 安全/危険(恐怖)
- 真実(現実)/幻惑(幻想)
- 自然/人工
- 静止(永続)/変容(無常)
- 痛み/快適
- 欲望/フラストレーション
- 防備/壊れやすさ
- 自由/束縛
- 健康/疾病
- 与える/与えられる
さらに、二項対立的な形容の数々
- 滑らかな/粗い
- 光沢のある/鈍い
- 熱い/冷たい
- 柔らかい/堅い
- 明るい/暗い
- 透明な/不透明な
- 上方へ/下方へ
- 内へ/外へ
- 安定した/不安定な
- 前方へ/後方へ
- 垂直/水平
- 真っ直ぐ/曲がっている、湾曲している
- 軽い/重い
- 薄い/厚い
- 綺麗な/汚い
このような二項対立の網の目で対象を絡め取ってから、分析に価するものを選びとっていけというのだろう。