ノイズレス展

昨日行ってきた。

環境音など、さまざまな「微少な音」を、あちこちに散らばされた小さなスピーカーのコーン部分から聴くというもの。サウンドスケープ系と言っていいんだろうか。


夜間のみの開場ということだが、土曜日ということもあって、人が結構入っていた。会場の隅などに座り込んでる人もいて、スピーカーからかすかに聞こえる音を、集中的にではなく、ぼんやりと聴くという制作者/展示者の意図に沿うであろう態度を取っていたのが興味深い。夜間のみ、しかも二週間ということから、ある程度、サウンド・アートとかインスタレーションとかに関するコンテクストの知識があるオーディエンスが集まっていたということだろう。


先日、ちょっとだけ企画側の人と話す機会があったのだが、独法化により美術館も人をいれなきゃいけないっていう状況の中、そういう展覧会をやっている横で、こういう感じの小規模な展覧会をやっていこうという方針とのことだった。以前読んだC・ダンカンの美術館論のなかに、「啓蒙的美術館」と「審美的美術館」という対立があるという指摘があったけど、これはその二つを両立させるなかなか良い企画だと思う。で、上記のように、それは結構成功していたみたい。これまでほとんど使われていなかったスペースを有効利用していたし、こういう企画は今後もどんどんしていっていただきたいものである。