第1回「文化遺産としての大衆的イメージ」公開講演会
以前、告知しましたジョルダン・サンド氏の講演会が明日に迫って参りました。皆様、是非ご参集の程、よろしくお願いいたします。
第1回「文化遺産としての大衆的イメージ」公開講演会
視覚文化としての〈文化住宅〉
- 講師:ジョルダン・サンド Jordan Sand(ジョージタウン大学准教授)
- 講演概要:1920年代に現れた「文化住宅」現象は新中間層の台頭や郊外発展と関連して大正文化史のなかで語られてきた。また、建築史分野においては、住宅の具体例によって家庭生活の近代化に伴った、住宅平面の改良過程という文脈のなかでも分析されている。しかしながら、文化住宅そのもの、あるいは文化住宅を描いた絵図(図面、イラスト)や文化住宅を紹介した出版物を表象として捕らえて、このあたらしい表象の生産、氾濫の意味するものを深く追求する観点は従来の研究にはみられなかった。 今回の発表では、この問題をクローズアップする。1920年代の都市郊外住宅の宣伝のしかた、住宅専門書出版物のあり方、建築デザイン教育、などの分析を通じて、近代日本の住宅商品化プロセスにおける転換期を明らかにする。
- コメンテーター:中川理(京都工芸繊維大学大学院教授)
- 日時:11月30日(日) 14:00〜17:00
- 会場:同志社大学今出川キャンパス 至誠館S4教室(http://www.doshisha.ac.jp/access/ima_campus.html)
- ジョルダン・サンド(ジョージタウン大学東アジア言語・文化学部准教授)
- コロンビア大学大学院修了。博士(歴史学)。近代日本史専攻。特に都市、建築、物質文化の幅広い事例――文化住宅、百貨店の家具売場、ちゃぶ台等々――に注 目して、日本の近代化の諸問題を研究。著書にHouse And Home in Modern Japan: Architecture, Domestic Space, And Bourgeois Culture, 1880-1930 〔『近代日本における家と家庭――建築、家内空間、ブルジョア文化:1880〜1930 年』〕 (Harvard University Press, 2005)等、論文に“Utopia of Fragments: Street Observation Science and the Tokyo Economic Bubble, 1986-1990” 〔「断片のユートピア――路上観察学と東京のバブル経済:1986〜1990年」〕 (Spaces of the Modern City, edited by Gyan Prakash. Princeton University Press, 2007)、“Good Science, Bad Science and Taste Cultures: A Short History of MSG”〔「良き科学、悪しき科学、味覚文化――化学調味料小史」〕 (Gastronomica, 5:4, November, 2005)、“Was Meiji Taste in Interiors ‘Orientalist’?”〔「インテリアにおける明治趣味は『オリエンタリスト』 か?」〕 (Positions: East Asia Cultures Critique, Winter 2000)等がある。 現在、フルブライト奨学金により、東京大学大学院情報学環に客員研究員として 在籍中。(Faculty参照)
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- 中川理(京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科教授)
風景学 -風景と景観をめぐる歴史と現在- (造形ライブラリー 06)
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