ヤンキー文化論

最近立て続けにヤンキー文化論が出版されている。


ケータイ小説的。――“再ヤンキー化”時代の少女たち

ケータイ小説的。――“再ヤンキー化”時代の少女たち

ヤンキー文化論序説

ヤンキー文化論序説

ヤンキー進化論 (光文社新書)

ヤンキー進化論 (光文社新書)


とりあえずはこの三冊を押さえておけば、基本的な論の筋道は理解できる(一冊というなら難波氏のものだろうが)。みんなナンシー関のヤンキー論を論の出発点としているのが興味深い。『ヤンキー文化論序説』には、関のヤンキー論がいくつか再録されているし。あと、研究対象である「ヤンキー」と論者自らの距離を論者たちが気にしているようなのも、独特だろう(おたく上がりの研究者は多いが、ヤンキー上がりの研究者は少ない、とか)

  • 『ヤンキー文化論序説』は「序説」というだけあって、概論的なものが多いのだが、その中で大山昌彦氏の論文「暴走族文化の継承――祭り・改造車・ロックンロール」が実地フィールド・ワークを基としていて読み応えがある。
  • もちろん↓の「暴走族」の章も。

族の系譜学―ユース・サブカルチャーズの戦後史

族の系譜学―ユース・サブカルチャーズの戦後史


『ヤンキー文化論序説』でもインタヴューされている都築響一氏のコレも必携。


最近見たドキュメンタリー。

アナーキー [DVD]

アナーキー [DVD]

まさにヤンキー・パンク。音は、クラッシュ、スティフ・リトル・フィンガーズ、イーターなどの渋い初期パンクのカヴァーなのに、親衛隊がいるなど行動様式はいわば「ヤンキー的」。東京ロッカーズ系のパンクとか、のちのビート・パンクとは、ファンの色が全然違うのが面白い。ちなみに[難波:09]でも、アナーキーとその親衛隊の話題は取り上げられている。


こちらは、むかし見たドキュメンタリー。細かくは忘れたが丁寧に作られた映画であったという印象がある。

ゴッド・スピード・ユー!/BLACK EMPEROR(廉価版) [DVD]

ゴッド・スピード・ユー!/BLACK EMPEROR(廉価版) [DVD]


どうやら↓が社会学における暴走族研究の重要なものらしい。取り寄せよう。

暴走族のエスノグラフィー―モードの叛乱と文化の呪縛

暴走族のエスノグラフィー―モードの叛乱と文化の呪縛


ユース・サブカルチャー研究の古典↓も読み返してみよう。

ハマータウンの野郎ども (ちくま学芸文庫)

ハマータウンの野郎ども (ちくま学芸文庫)

  • ところで、メタ・ヤンキーの例として氣志團の話は取り上げられるのに、『クロマティ高校』がメタ・ヤンキー表象として取り上げられないのは何故だろう?