空想の美術館

で、まずは陶板名画の庭 スタッフブログに行く。近いからいつでも行けると思いながら、行ったことがなかった「複製陶板画」の美術館。いわゆる「名画」の複製写真を陶板に焼き付けるという技術で作られたもの陶板名画の庭 スタッフブログ: 陶板画とは/porcelain panelを常設展示しているミュージアムである。複製によるミュージアムだから世界各地にあるレオナルド《最後の晩餐》、ミケランジェロ最後の審判》、モネ《睡蓮:朝》、スーラ《ラ・グランド・ジャット島の日曜日の午後》、ルノアール《テラスにて》、ファン・ゴッホ《糸杉と星の道》、鳥羽僧正《鳥獣人物戯画》、伝張澤端《清明上河図》を一堂に見ることができる。まさにアンドレ・マルローの言う「空想の美術館」である。
「名画」雨ざらしも陶板だからできること。《睡蓮》を水の中に沈めるなんて荒技も陶板だからOK。
安藤忠雄の建築も、動線が分かりやすくよい。


何しろ全てが複製なので、写真撮影は可。僕も含め、来館者のほとんどは写真を撮っていた。こうして複製の複製が生産されていく。
また《最後の審判》は、例の修復以前の絵画を複製したもの。オリジナルを、よりオリジナルに近づけるという理由で行われた修復のおかげで、この複製陶板画のオリジナルは失われてしまったという、起源と複製と修復の問題についてなかなかに考えさせるものである。というわけで京都にいる人は一度訪れてみてください。面白いっす。入場料100円だし。
 ほぼ原寸大の《最後の審判》。巨大!


この複製陶板画の技術は、大塚製薬の系列の大塚オーミ陶業が開発したものらしい。大塚オーミ陶業株式会社に詳しい工程が書かれている。同様の美術館として、徳島にhttp://www.o-museum.or.jp/japanese/index.htmlがあり、人から聞いた話によれば、ここはもっと凄いらしい。


その後は、お隣の植物園京都府立植物園 Kyoto Botanical Gardens/京都府ホームページへ。30年ぶりくらいか。「洋風庭園」というのが、いわゆるフランス式整形庭園形式であることに気付く。また、動物園とのオーディエンスの微妙な違いが面白かった。子供連れやカップルが多いのは一緒だが、カメラ熟年の多さと、あと何か訳ありっぽい中年男女が多いのが差異か。
あっ、ちょっと楽しみにしていた盆栽の展示に行くのを忘れていた。
温室内にサボテンのジオラマがあったので、白黒で、ちょっとスギモトしてみました。


展示論ネタになりそうな一日でした。