『「鳥島」ははいっているか』

自室の本棚で目について、久しぶりに取り出して、ざっと読み。


副題にあるとおり、1960年代から1980年代(出版時)に至る日本における「歴史意識」を、アカデミックな歴史学のみならず、小説や一般向きの本、あるいは政府の動向なども視野に入れて明快にマッピングした本。「『戦後』意識」、「人間論」、「日本文化論」の三つの切り口から語られる。もう一度、民衆史から社会史にいたる歴史学の主著を読み返さなければ、と自戒。「ポピュラー」な文化やイメジャリーを考える上でも、重要なはず。


ちなみに、表題は島尾敏雄ヤポネシア論から採られた言葉。