「10のまなざし、10の日本」展

京都の関西日仏学館で、1月27日から以下の展覧会がはじまります。

    • この写真展では、日本と長年深い関わりを持ってきた現在活躍中の人のフランス人写真家による、十人十色の作品をご紹介します。
    • 展示やスライドショーで投影される一連の写真によって、人が自由に各自のテーマを表現します。
    • ここに紹介する10人の写真家たちは、日本を彼らの第二の祖国としており、その理想的な環境により与えられたいわば特権的視点から日本を捉えている。アプローチの仕方は様々で、正統派ドキュメンタリーのスタイルをとる者もいれば、時に非常に日本的な精神に基づいたコンセプチュアルなアプローチをする者もいる。社会的疎外の裏に隠された事実や高齢化社会の実態、超近代化都市東京の混沌としたイメージから昔ながらの界隈の素朴な風景まで―彼らの作品を通して現代日本の様々な顔が垣間見える。写真家たちの気ままな日本散歩から、彼ら独自の世界、彼ら自身の日本が露になっていく。見事な複雑性を持つこの国の多様多彩なヴィジョンを映し出して見せてくれるこの≪10のまなざし、10の日本≫は、2つの写真国、日本とフランスの魅力的な対話なのである。
    • 男性と女性、都会らしさと田舎らしさ、満ちているものと空っぽのもの、外側と内側、存在と不在、夜と昼、若さと老い、単色と多色…これらを主題とした10 作品からは、写真家たちの社会的な視線、美的、ユーモラスでメランコリック、そしてエロティックな視線が見て取れます。


また出品作家で、写真史研究者でもあるクロード・エステーブさんによる講演会もあり、ボクが司会を務めます(特別ゲストとして甲斐扶佐義さんをお迎えします)。

    • ルバ、ヒューズ・クラフト、ピエール・ロシエール、フェリス・ベアト、ライムント・フォン・スティルフリード。五名の西洋人写真家(フランス、スイス、イギリス、オーストリア)が捉えた幕末・明治の日本をご紹介します。プロ・アマを問わず、彼らは記者、アーティスト、旅人として、数ヶ月から数年にかけて日本に滞在し、それぞれに異なる五つのスタイルと五つのまなざしを持って、写真を撮影しました。
    • そこには、当時の日本人写真家との違いを見ることができます。上野彦馬や下岡蓮杖と比較すれば、構成においては大きな違いはないものの、写真のテーマは大きく異なります。
    • 旅人たちは、消えゆく日本に魅せられながら、違いを追い求めていたのです。