再告知:排除されるポピュラーカルチャー

京都精華大学ポピュラーカルチャー研究会主催の第2回ポピュラーカルチャー・シンポジウムが開催されます。明日です。

第2回ポピュラーカルチャー・シンポジウム

    • 2010年12月15日の東京都議会本会議において、東京都青少年健全育成条例の改正案が可決されました。この改正案の成立を巡る推進派と反対派の議論で一番気になるのは、丁寧な言説を用いた対話がなされていなかったという点です。立場によってその語り方や説明の仕方、責任の度合いはもちろん異なりますが、それぞれが大雑把な言説しか提示していないように思われます。推進派もしっかりと問題解決に向けて説明しきれていないし、反対派も推進派を説得するだけの根拠を説明しきれていない。こうした状況で改正案だけが成立してしまう点に、日本の言論に対する大きな危惧と日本人の問題解決力のなさを自分自身の言論の問題として痛感します。確かに現代は時間のスピードが過去よりも早いのかもしれません。それ故に誰もかれもが拙速になり、より良き解決解決に向けて丁寧にことばで分節化しないのかもしれません。しかし、3月以降の福島原発事故の言論状況を目の当たりにした現在、「言葉の劣化」は社会や文化の秩序そのものに途轍もなく大きな影響を与えることを知りました。
    • 今回のシンポジウムでは、「大学」という、より良き秩序と問題解決の知を創出することのできるアカデミックの場で、東京都青少年健全育成条例に関する問題を丁寧かつ主体的な言説で分節化し、未来の日本を担う学生たちや一般の人々に分かりやすく説明することによって、参加者と共に日本の「ポピュラーカルチャー」の在り方を再考する機会になればと思っております。
      • 入場無料、申し込み不要