「キッチュと同一性」

年末ばたばたと過ごしておりますが、最後の最後で拙文が掲載された雑誌が届きました。『キッチュ』(‘‡ƒ}ƒ“ƒKŽƒLƒbƒ`ƒ EƒXƒ^ƒWƒIƒLƒbƒ`ƒ @ŒöŽ®ƒTƒCƒg‚͈ړ]‚µ‚Ü‚µ‚½B)というタイトルで、精華大のドクターにいた呉塵罡くんが、編集、マンガ制作(鬼山龍宿名義)、エッセイ執筆(くれたかし名義)と筆名を使い分け、獅子奮迅で作り上げてきた「マンガ総合誌」で、これが4冊目(ただし復活号ということで3.5号)です。



ただ、そこらの同人誌じゃない。彼の人徳でしょうか、精華大教員陣からは僕のエッセイだけではなく、ひさうちみちおさんや斎藤なずなさんがマンガを描かれていますし、林海象監督の最新作『彌勒』に関するインタヴューなど、相当に濃い雑誌です(題字は創刊号から平田弘史氏!)。マンガも今風の萌え系が一切無く、なんとなく「アングラ」的テイストがぷんぷんする。これが日本の「オルタナティヴ・コミックス」なのかなと思ったりもします。
内容はƒLƒbƒ`ƒ •œŠˆ†(Vol3.5)をご参照ください。
入手方法ですが、とりあえず東京では中野のタコシェタコシェ | 自主制作本, 書籍, CD, 映像, 絵画, 雑貨 | TACO ché)、大阪のシカク(インディーズ出版物のお店・シカク)、京都ではBar探偵(BAR探偵)で取り扱っているようです。タコシェとシカクでは通販もあるとか。


僕は以下の小論を書きました。アメリカのコミックス文化は門外漢ですが、昔からぼんやりと考えていた、アメリカにおけるロック系サブカルチャーがコミックス文化――キッチュ――とどのように関係を取り結んできたのかについて書きました。そうとう昔に、このブログで書いたエントリが原型です(アメコミ - 蒼猴軒日録『パンク』誌 - 蒼猴軒日録)。サブカルチャーの同一性(アイデンティティ)形成のひとつの核として、コミックス文化がどのように流用されたのかを、スチュアート・ホールやディック・ヘブディジなどの文化研究を参照しながら考えてみました。ポピュラー音楽の視覚文化論のとっかかりになるかな?

主に取り上げたのはロバート・クラム(とヒッピー・サブカルチャー)とジョン・ホルムストロム(とパンク・サブカルチャー)です。その他にクランプスのジャケットも取り上げています。
チープ・スリル ロード・トゥ・ルーイン+5 Off The Bone


ちょっとだけでも言及しているミュージシャンは以下の通りです。

雑誌では図版として引用していないイメージを以下に挙げておきます。拙文をご高覧の方は、以下を参照していただければ。


American Psycho メテオスのサイコビリーで世界を殺せ Bambooland ロックンロール・ラブレター Songs About Fucking Naked City Bomb the Rocks: Singles THE BEST OF SO-ON☆G 虫

レイアウトを見たら紙幅に余裕があったので、Theピーズについて書いてもよかったな。2トーンにおけるイラストの使用とかも。