「遺影と擬写真」
拙論が一本、公刊されました。
- 佐藤守弘「遺影と擬写真――アイコンとインデックスの錯綜」『美学芸術学論集』第9号(特集:身体と同一性)、神戸大学芸術学研究室、2013年3月、54-64。
- はじめに/1.肖像写真の真正性――指示対象との同一性/2.不在の痕跡――触覚と視覚/3.肖像写真の遺影化――儀礼と擬写真/おわりに
去年の神戸大の研究会(第7回神戸大学芸術学研究会 「身体と同一性」 - 蒼猴軒日録)で発表したものをまとめた論文です。これまで書いてきた遺影写真ネタとかぶるところも多いですが、サブタイトルにあるように、写真のアイコン性とインデックス性の問題に言及しています(図版はなんとカラー印刷です!)。
ブックガイドのコーナーもあり、以下の二冊を紹介しました。
- ジェフリー・バッチェン『時の宙づり――生・写真・死』IZU PHOTO MUSEUM、2010年。
- Martin Parr and Titus Riedle, eds., Retoratos Pintados, Portland, OR: Nazaeli Press, 2010.
他には特集(企画は増田展大さん)内には、橋本一径さんの「イメージの権利――19世紀フランスにおける写真の著作権・肖像権」、秋吉康晴さん「録音された声の身体――人間と機械のあいだから聞こえる声」、さらに特集外ながら、特集の内容と深く関係する前川修さんの「カルト・ド・ヴィジット論――ヴァナキュラー写真の可能性1」という刺激的な論文も収録されています。
しばらくすれば以下のレポジトリからダウンロードできるようになるそうです。できるようになればお知らせします。
追記
ダウンロードできるようになっていました。以下のリンクからどうぞ。「本文リンク」の「Full text」というボタンでダウンロードできます。
他の論文(およびバックナンバー所載の論文も)については、以下から。