『手作りの文化--日本における楽焼制作者、パトロン、茶道家』

Handmade Culture: Raku Potters, Patrons, And Tea Practitioners In Japan

Handmade Culture: Raku Potters, Patrons, And Tea Practitioners In Japan

アメリカ時代の友人、オクシデンタル大学で教えている日本史研究者モーガン・ピテルカ(http://faculty.oxy.edu/mpitelka/index.html)の著作。楽茶碗の歴史を、マテリアル・カルチャーの視点から語ったもの。とくに消費や複製の問題や、楽家アイデンティティ形成に目を向けた相当に挑戦的なもののようである。
目次を見るだけでも面白そう。
『手作りの文化--日本における楽焼制作者、パトロン、茶道家

  1. 楽の技法の起源におけるグローバル性と地方性
  2. 京都におけるアノミーと革新:職業陶作家、アマチュア、消費者
  3. 近世的アイデンティティの創造:楽家の誕生
  4. 家元のまなざしの制度化:茶ノ湯、楽、家元制度
  5. 楽の技法の全国的な展開における複製と流用
  6. 近代的アイデンティティの創造:武士の庇護の消滅、個人主義ナショナリズムの勃興
  • 結:真正性と目利き

4,5,6章のタイトルを見れば、いかにこの本が挑戦的か分かると思う。