石原友明展

西宮大谷美術館の学芸員のU君から、「石原友明展  i(アイ)」の案内を貰う(http://kusunoki.nishi.or.jp/homepage/otani/exhibition/2004exhibition/ishihara-ex/ishihara.html)。7/3〜8/1の期間。貰ったパンフレットには、「i」に続いて「imaginary number」とある。すなわち「虚数」。虚数としての「I=私」の謂だろう。確かに彼の表象する「私」は、主体としての重みや求心力など欠片もなく、全く空虚である。いや「空虚」なら単なるゼロか。虚数単位iとは、自乗すれば-1になるというアリエナイ数のことであったはずだ(高校の数学の記憶を辿ると)。空虚どころの話ではない。彼の作品における「私」は、もちろんア・プリオリに存在するものであるわけではなく、といって「世界」のなかで、単に相対的に規定されて主体として立ち上がるものでもない。何と言っても「虚数」なのだから。
うまい展覧会タイトルを付けたものだなと感服する次第。とにかく展覧会が楽しみである。

  • ちなみに僕は、石原友明氏を「彼」などと不遜に呼ぶ立場にはない。石原さんは、亡父の教え子であり、非常勤講師として業務だけではなく、我が侭な父のお守りをして頂いていた。感謝。で、その頃、生意気だった中学生の僕の実態を見られているわけで。恥ずかしい・・・