ＶＣ版『噂の真相』？

先日、到着した本、James Elkins, Visual Studies: A Skeptical Introduction, ISBN:0415966817。「イントロダクション」とあるが、学生向けではない。はじめの部分を読んだ限りでは、ヴィジュアル・スタディーズ、ヴィジュアル・カルチャーという研究領域が登場してきてから今までの総括といった感じの本。どのような教科書、リーダーが出て、それらはどのような傾向にあるのか、どのような思想家が採り上げられてきたか、どのようなディベートが行われたか*1、大学ではどの学部（美術史、カルチュラル・スタディーズ、記号論、メディア・スタディーズなど）に置かれているのか、美術史との距離感はどうなっているのか、学部の一年生にどのように教えるのか*2、などなど。明らかに学生に向けた本ではなく、教師向けの業界本みたい。ＶＣの『噂の真相』？

*1:『オクトーバー』誌におけるディベートなど→マエカワさんによる「http://homepage1.nifty.com/osamumaekawa/october77.htm」を参照のこと

*2:シカゴ大学では、一年生の全学共通科目として、ヴィジュアル・カルチャー概論をＷ・Ｊ・Ｔ・ミッチェルが教えているらしい。聞いてみたい。