明治の雑誌

morohiro_s2005-01-31

届いた本を、ぱらぱらとめくっていたらこんな強烈なおっさんの顔が飛び込んできた。フロックコートを着たおっさんが右手に酒瓶、左手の甲に巨大な蜂を載せてえびす顔で微笑んでいる。怖いよ。東京の近藤利兵衛という商店が出していた「蜂印香竄葡萄酒」というものの宣伝らしい。蜂が入っているのか? というわけでもなさそうで、「香竄」というのを漢和辞典で調べたら「香りがしみこんでいること」らしい。たしかに酒瓶には「Fragrant Wine」と書いてある。別に蜂が入っている訳ではなく、ブランド名らしい。ということは左手が下向きのV字形をしているのは「八」という洒落か。しかしどういうもんなんだろうと思って、グーグルで検索してみると、すぐ出てきた。浅草の神谷バーの神谷伝兵衛が作ったもので、電気ブランとならぶ人気商品だったそうだ(→http://da.amuse.co.jp/tabemono/kamiya/kamiya4.html)。たしかに「Manufactured by D. Kamiya」と書いてある。ということはこのおっさんは、神谷伝兵衛か? 45歳のころの写真(シャトーカミヤの歴史)を見たら似ていなくもない。でも思い切った広告を出したもんだ・・・。