安井仲治&万博展

名古屋に日帰りで行って展覧会を二つ見てきた。一つは「http://www.art-museum.city.nagoya.jp/2004/YasuiNakaji.html」。30年代の新興写真の雄。ヴォリュームたっぷりで、いろいろな側面を見せる。マニアックで、非常に楽しめた。ただもう少し、同時代の状況とかをパネルでいいから見せてくれたら親切かと思う。例えば安井が浪華/丹平倶楽部のリーダーなら、芦屋には中山岩太がいた訳で、その対比とかがあれば、安井のことを知らない観客もより楽しめたのではないか。これは、他の展覧会にも云えることではあるが。
安井展は、日曜日にもかかわらずガラガラだったけど、もう一つの「万国博覧会の美術(http://www.ncm-jp.com/tenji16/050105/0105.html)」は相当入っていた。東京、大阪と見逃したので最後の機会。初期の博覧会に出展していた陶磁器や七宝などは、まさにデカイ・ハデ・コマカイと強烈なモノばかりで楽しめた。ただ、たとえば吉見俊哉博覧会の政治学―まなざしの近代 (中公新書)』などで提示された批判的な視座は、ほとんどなかった。あるいはあえて隠蔽されていたのか。まあ今度の万博開催に併せて企画された展覧会だからそんなものか。でも『博覧会の政治学』や吉田光邦編『万国博覧会の研究』は、会場出口で売られていた。皮肉か?