テクノDJ

一時期、東京在住時に西荻窪と西麻布でDJの真似事をしていたことがある。レゲエやダブを中心に、ヒップ・ホップ、ファンク、ポストパンクなどを色々掛けるスタイルであった。だからターンテーブルとかミキサーがどういう機能を持っているかは知っているし、レゲエのセレクタ(DJのことをレゲエではこう呼ぶ)がDJ(MCのことをレゲエではこう呼ぶ。ああヤヤコシ)のバックで何をするかは知っている。ただ、レゲエやノー・ジャンル系というのは、それほど技は使わなくても誤魔化せるので、テクニックはない。もちろん、全てのレゲエやノー・ジャンル系DJがテクニックがないといっている訳ではない。僕がその方面の努力をしなかっただけである(何と言ったって、憧れのDJがギャズ・メイオールだったから)。BPMあわせたつなぎが面倒くさいときには、ディレイかませて有耶無耶つなぎをしていたくらいである。で、言うまでもなくスクラッチなどもド下手である。
でもヒップ・ホップのDJがどういうことをしているかは、知識として知っている。でも分からないのがテクノのDJが何をしているかということであった。という訳でデトロイト・テクノの大物、ジェフ・ミルズのDVD『エキシビジョニスト-ア・ジェフ・ミルズ・ミックス [DVD]』を買ってみた。ミルズのプレイが、アングル切り替えで前、横、上から見られる。なるほど。何をしているのかがだいたい分かった。「だいたい」だけれど。三台のターンテーブルを駆使し、ミックスし、イコライジングで味を付ける。こりゃあ難しいわ。ヒップ・ホップのブレイク・ビーツよりも、むしろスタジオでのダブ作業に近い感じなのかな。

エキシビジョニスト-ア・ジェフ・ミルズ・ミックス [DVD]

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