京都の本屋

ちょっと前から、京都に名だたる名書店、三月書房が発行するメール・マガジン「三月書房販売速報」を講読している。「最近売れている気がする本」や「これから売れそうな気がする本」とかが載っていて面白い。「いちおう出版業界向けメルマガです」と書いてあるが、いやいや素人にとっても充分に面白い。ここ(三月書房販売速報)でバックナンバーを読むことが出来る。
このメルマガで、楽しみにしているのが、「<天に唾する>京都の書店のうわさ」という連載記事である。最新号では、9月の丸善閉店(id:morohiro_s:20050420#p2でも書いた)に関して書かれている。全然知らなかったのだが、河原書房という茶道、華道を中心とした書店が5月に突然閉店したらしい。これで丸善が消えると、河原町通り沿いの新刊書店は、駸々堂の店舗を受けついだブックファーストだけになるらしい。メルマガのバックナンバーによると、80年代には、この地域には、8店の新刊書店があったと言うから、隔世の感がある。メルマガによると、「京都を代表する」古書店は、健在であるが、「新刊書店が消えた町に残っても、最大の長所だった新古の補完関係が成り立たなくなる」ことになるという。
以前も書いたと思うが、確かに僕にしても、書評などで気になる本は、以前のように書店に走るのではなく、アマゾンなどのカートに放り込んで買っているので、新刊の大型書店に本を冷やかしに行く機会は格段に減っているのが実のところである。ネットで買うか、三月書房やメディア・ショップのようなポリシーのはっきりした小型の本屋に立ち寄って買うか、この二つである。こうした行為が新刊書店の首を絞めているのだろうか。でも、新刊大型書店の役割がなくなったかというと、そんなことはないと思う。やっぱり、ネットでブラウズするだけでなく、本棚に実際に向かい合って本を冷やかす(英語では「ブラウズ」)ことは楽しいから(「ほな行けや」と一応自分につっこんででおく)。新刊書店と古書店を交互に見て歩けた以前の河原町は、やっぱり面白かった。
ところで、上記の美術系書店のメディア・ショップが、新刊、新入荷紹介のブログを始めたようである。こちら→http://blog.melma.com/00043355/。是非、チェックを。思えば、この店が出来たころ、亡父もよく通っていたようで、父子二代のおつきあいということになるな。