大正イマジュリィ学会

大正イマジュリィ学会に行ってきた。高畠華宵による小説の挿絵に関する発表。中性的でありつつ、確かな肉体を具えた少女像の問題について。そうした挿絵を見ることによって、受容者である「少女」たちのセクシュアリティがどのように構築されたのかに関して、個人的には興味を持った。続いて大正期における美術全集の問題を、フランスの19世紀以来の状況と比較する発表。いろいろ面白そうな話が聞けた。その後、学会の方向性に関する討議。発足時に核となっていた夢二や華宵などの「叙情画家」研究に絞るべきか、もっと拡げるべきか。僕自身は、当然拡げるべきではないか--視覚文化=イマジュリィに止まることさえないのでは--という意見を述べる。来ていた人の多くも同意見であった。