地方定価

morohiro_s2006-09-26

昨日、アンドレ・マルローの『東西美術論1――空想の美術館』(新潮社、1957年)を読み返していたら、奥付に「定価900円(地方定価)910円」とあるのに気付いた。かつて出版界に都内定価と地方定価の二重定価制があったという話は小耳に挟んだことはあったが、実際に眼にするのは初めて。というか、多分、気付かなかっただけか。http://www.snews.net/database/shashi/left.cgi?mode=fyear&fyear=1951によれば、1951年に決まり(52年から施行)、50年代いっぱいくらい実施されていたらしい。「都内価格」ってことは、京都や大阪でも地方定価だったんだろう(じゃあ、京都の版元の本はどうだったんだろ)。あまり、これについて書かれたものは見たことがないが、まぁ多少の不公平感はあったんだろうな。