見世棚とばったん床几

上で言っている「見世棚」とは、中世後期の町家建築の道路に面した軒先が開くようになっていて、そこに商品などを並べることができる部分のことを言う。まさにdisplay=「見せる」ものであって、商店を意味する「みせ」とか「たな」とかいう言葉の語源になったとか。近世的な商業の基本に、ものを見せて売るということがあったのかなとも思う。「洛中洛外図屏風」なんかには、既に多く見られる。

  • 洛中洛外図屏風=これは歴博甲本(三条本/町田本)右隻第二扇、室町の辺り。右下の家が見世棚を出している。夜になったら、この見世棚を上げ、上部の蔀戸を下ろせば戸締まりも出来るというわけ。もっと時代が下る上杉本にはもっと頻繁に見られる。

で、さらに時代が下ると、今でも見られる町家の「ばったん床几(ばったり床几)」に変化するともいわれる。参照→http://www.kyo-machiya.jp/mametishiki/item_08.html
寺町御池下ルの古〜い書店、竹苞楼のばったん床几は、二連の立派なモノで、現在もディスプレイに活躍している。参照→宝暦元年創業「佐々木竹苞楼」: 三月記(仮題)


と、雑学豆知識を披露したところで、今年のエントリ打ち止め。皆さま、よいお年を。