『モノのエクスタシー』

前から紹介しようと思いながら、なかなか時間が取れずにいた本。おそらく、もともとドイツで出版された図録だと思う。ポーランドでたまたま入った本屋で見かけて、買って帰ろうかと思ったけど、英語だし、日本でも手にはいるかと思って、アマゾンで見たらあったので、購入。重い思いして持って帰らなくってよかった。

The Ecstasy Of Things: From Functional Object To Fetish In 20th Century Photography

The Ecstasy Of Things: From Functional Object To Fetish In 20th Century Photography

ウルス・シュタール、トマス・シーリッヒ編『モノのエクスタシー――20世紀写真における機能的物体からフェティッシュなものまで』

    • ウルス・シュタール、トマス・シーリッヒ「まえがき」
    • ミシェル・フリゾ「モノの写真的生活」
  • 形態と物質
    • マイケル・ジェイコブ「近代のモノの詩学について」
    • ティム・スタール「サンプルと分類――19世紀のモノに関する写真的な考え方について」
  • 特許の発明
  • 職人仕事と大量生産
    • ゲルダ・ブロイヤー「説得するより確信させる――モノ撮り写真とプロダクト・デザインの関係について」
  • 「よいかたち」
  • ウィンドウ・ディスプレイからショッピング・モールへ――販売の修辞学
    • ティロ・ケーニッヒ「1930年から50年にかけてのスイスにおける即物的写真」
  • 包装――第二の皮膚
  • 香水と人工器官――物象化される身体
    • ジゼラ・エッカー、スザンヌ・ショルツ「発見された物、舞台、効果――モノ撮り写真に対する省察
  • 光と速度
  • 有線の世界――コミュニケーションと娯楽
    • ヘルベルトゥス・フォン・アメルンクセン「モノの魅惑」
  • より速く! より良く!――可動性と自由
  • 挿入図像
    • デイヴィッド・カンパニー「ガラスの偽装――写真、対象、客観性」
  • メイキング・オヴ……
    • トーマス・シーリッヒ「モノ撮り写真――地位、アプローチ、プレゼンテーション、イメージ」
  • オフィスのなかの秩序――タッチ・タイプとステレオタイプ
  • 家庭――アイデンティティを備え付ける
    • ニール・カミングス「モノから供給へ」
  • 幼年期の夢
  • スポーツ用具
  • 象徴とフェティッシュ――モノと私
  • 衰退と崩壊


ヴィンタートゥール写真美術館とスイス写真財団による企画。モノと写真の関係を考えさせるさまざまな写真と論攷で、非常に盛りだくさん。


一応、「thing」は「モノ」と訳して、「object」は場合によって「物体」とか「物」とか訳し分けてます。で、「Object Photography」だけど、「モノ写真」としたら「モノとしての写真」とややこしいので、業界での慣用をうけて「モノ撮り写真」としてみました(ヘンな言葉だけど)。あと、ドイツ語圏の人名の読み、自信ないっす。