『モノのエクスタシー』
前から紹介しようと思いながら、なかなか時間が取れずにいた本。おそらく、もともとドイツで出版された図録だと思う。ポーランドでたまたま入った本屋で見かけて、買って帰ろうかと思ったけど、英語だし、日本でも手にはいるかと思って、アマゾンで見たらあったので、購入。重い思いして持って帰らなくってよかった。
The Ecstasy Of Things: From Functional Object To Fetish In 20th Century Photography
- 作者: Thomas Seelig,Urs Stahel
- 出版社/メーカー: Steidl
- 発売日: 2005/04
- メディア: ハードカバー
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ウルス・シュタール、トマス・シーリッヒ編『モノのエクスタシー――20世紀写真における機能的物体からフェティッシュなものまで』
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- ウルス・シュタール、トマス・シーリッヒ「まえがき」
- ミシェル・フリゾ「モノの写真的生活」
- 形態と物質
- マイケル・ジェイコブ「近代のモノの詩学について」
- ティム・スタール「サンプルと分類――19世紀のモノに関する写真的な考え方について」
- 特許の発明
- 職人仕事と大量生産
- ゲルダ・ブロイヤー「説得するより確信させる――モノ撮り写真とプロダクト・デザインの関係について」
- 「よいかたち」
- ウィンドウ・ディスプレイからショッピング・モールへ――販売の修辞学
- ティロ・ケーニッヒ「1930年から50年にかけてのスイスにおける即物的写真」
- 包装――第二の皮膚
- 香水と人工器官――物象化される身体
- 光と速度
- 有線の世界――コミュニケーションと娯楽
- ヘルベルトゥス・フォン・アメルンクセン「モノの魅惑」
- より速く! より良く!――可動性と自由
- 挿入図像
- デイヴィッド・カンパニー「ガラスの偽装――写真、対象、客観性」
- メイキング・オヴ……
- トーマス・シーリッヒ「モノ撮り写真――地位、アプローチ、プレゼンテーション、イメージ」
- オフィスのなかの秩序――タッチ・タイプとステレオタイプ化
- 家庭――アイデンティティを備え付ける
- ニール・カミングス「モノから供給へ」
- 幼年期の夢
- スポーツ用具
- ノルベルト・ボルツ「文化と偶有性」
- 象徴とフェティッシュ――モノと私
- 衰退と崩壊
ヴィンタートゥール写真美術館とスイス写真財団による企画。モノと写真の関係を考えさせるさまざまな写真と論攷で、非常に盛りだくさん。
一応、「thing」は「モノ」と訳して、「object」は場合によって「物体」とか「物」とか訳し分けてます。で、「Object Photography」だけど、「モノ写真」としたら「モノとしての写真」とややこしいので、業界での慣用をうけて「モノ撮り写真」としてみました(ヘンな言葉だけど)。あと、ドイツ語圏の人名の読み、自信ないっす。