『族の系譜学』

族の系譜学―ユース・サブカルチャーズの戦後史

族の系譜学―ユース・サブカルチャーズの戦後史

戦後日本のさまざまな若者のサブカルチャー(複数形がポイントなんだろう)を、読み解く。第一部は、カルチュラル・スタディーズを中心としたサブカルチャー研究の歴史が振り返られ、さらにアーヴィン・ゴフマンのフレーム分析によるサブカルチャー研究の方法について紹介される――とくに映画『クワドロフェニアさらば青春の光 [DVD]』におけるモッズの「状況定義」が採り上げられる。そこで問題となるのは、「モッズとは何か」という本質ではなく、「それはモッズである」というフレームである。
第二部では、具体的な事例として、太陽族みゆき族、フーテン族、アンノン族、暴走族、クリスタル族、おたく族(→オタク)、渋カジ、渋谷系、コギャル、裏原系という「族(系)」が扱われ、主に雑誌などマスメディアにおける言説を資料とすることによって分析されている。「○○族」から「○○系」への以降の解釈が面白い。
とりあえず、大まかな紹介を。


ちょうど来週のクラスで、『なんクリ』話でもしようかと思ってたので、第8章「クリスタル族――クラスとテイストのセレクト」は大変参考になる。ついでに『なんクリ』関係で手許に参考文献は以下。