『風景の理論』
随分前にアマゾンで予約していた本が、忘れた頃に届く。ジェームズ・エルキンズが中心となって編集している「アート・セミナー」シリーズの1巻。他の巻と同様に、さまざまな研究者によるラウンド・テーブル討議を中心として編纂されている。今回も、美術史、美学、地理学、ランドスケープ・アーキテクチャー、そして美術作家も含めた脱領域的な討議が展開されているよう。とりあえず目次と裏表紙の紹介文だけ訳しておく(人名の読みには自信のないのがいくつかあります。とくに北欧系)。
Landscape Theory (The Art Seminar)
- 作者: Rachel DeLue,James Elkins
- 出版社/メーカー: Routledge
- 発売日: 2008/03/10
- メディア: ペーパーバック
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- ジェームズ・エルキンズ、レイチェル・ジアディ・ドゥルー編『風景の理論』
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- ジェームズ・エルキンズ「シリーズ前文」
- 第1部:序
- レイチェル・ジアディ・ドゥルー「とらえどころのない風景とシフトする基盤」
- 第2部:出発点
- デニス・E・コスグローヴ「『社会の編制と象徴的風景』への序文」
- アン・ウィストン・スパーン「『自然とともにある人』:風景、言語、共感、想像力」
- ジェームズ・エルキンズ「書記のムード」
- 第3部:アート・セミナー
- 第4部:評価
- 第5部:結び
- アン・ウォーラック「主体と客体のはざまで」
- エリザベス・ヘルシンガー「盲目と洞察」
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裏表紙より
「風景の芸術的な表象については、さまざまな領域で研究されている(美術史、地理学、文学、哲学、政治学、社会学)。とはいえ、解釈を枠づけるようなマスター・ナラティヴやヒストリオグラフィー的な系譜学はなかった。地理学者は、政治的な編制に興味を持つ(そして研究領域としての地理学は、ますます非視覚的になってきている)。美術史研究者は、風景について幅広い文献をものしてきたものの、そこに近年の総合的な試みや、理論的概観はない。同時に画家や他の芸術家が、その住む地域の風景を「所有」していると思うことは多々ある。そうした所有は、非言語的なレヴェルで起こるものであり、美術史や地理学の言説とは相容れないものと思われてきた。本書『風景の理論』――「アート・セミナー」シリーズの第6巻――は、どのようにすれば最もよく芸術における風景を概念化できるかを理解するために異なる研究領域や実践を統合した最初の本である」。
「アート・セミナー」シリーズは以下の通り。もともとは、ブンメイくんの2007-03-14 - 入院(完了)生活で知ったんだと思う。
- ラウトレッジ社のサイト→The Art Seminar