コカ・コーラCF

出るってことを知って予約していたDVDが届く。

The Coca-Cola TVCF Chronicles [DVD]

The Coca-Cola TVCF Chronicles [DVD]

1962年から1989年までのテレビCFを84本収めたDVD。基本的に、戸外/若者/仲間などという「アメリカ的」ライフ・スタイルを提示することによって、観者の現状を不充分なものとして、コカ・コーラによって手に入れることが可能かも知れない理想の未来のライフ・スタイルを提示するという、ジョン・バージャーが指摘していた広告の基本的パターンを見事に見ることができる。

その定義からいって広告にとって現在は不十分なものである。〔……〕束の間の生命しかない広告イメージは未来形しか用いない。これを買えば、あなたは魅力的になるだろう。こうした環境で暮らせば、あなたの人間関係はすべて快調で輝かしいものになるだろう。〔……〕広告は未来形で語る。しかしその未来への到達は限りなく先へ延ばされる。それではどのようにして広告は、その広範な影響を及ぼす説得力を保つのだろうか。広告が説得力を失わないのは、広告の真実性が、その広告の約束することが本当に実現されるかによって判断されるのではなく、〈見る者=購買者〉に与える幻想がどれだけ有効性を持つかによって判断されるからである。広告は本質的に、現実とではなく白昼夢と結びつく」。(ジョン・バージャー「広告の宇宙」『イメージ Ways of Seeing―視覚とメディア (パルコ・ピクチャーバックス)』)


とはいえ、その提示する「未来の」ライフ・スタイルに、いくつかの切断面が見えるのは面白い。早速明日の視覚文化論のネタとするつもり。ザ・クラッシュの「コカ・コーラ〔Koka Kola〕」も絡めて。

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