日仏美術学会122回例会

ほぼ一ヶ月ぶりの情報アップです。来る6月30日(土)、日仏美術学会で(何故か)発表をすることになりました。今、必死で原稿を書いています。


“ú•§”üpŠw‰ï第122回例会

  • 日時: 2012年6月30日(土) 14 : 30-17 : 15
  • 場所: 京都大学文学部新館2階第6講義室(京都市左京区吉田本町)


  • 共通テーマ:写真の時空―イメージ経験と場所
    • 発表1
      • 14:30-15:10 唄邦弘(神戸大学大学院)「ジョルジュ・バタイユにおけるイメージ経験−ラスコー洞窟壁画解釈を巡って」
        • ジョルジュ・バタイユは晩年、ラスコー洞窟壁画に関する大型図版を出版した。『ラスコーあるいは芸術の誕生』(1955)と題されたこの写真図版は、これまで「禁止と違反」「死と性」といったバタイユの人類学的思想への理論的表明の書として扱われてきた。しかし実際は彼は、写真図版に掲載された先史時代のイメージを通じて、彼独自の芸術論を展開している。またその一方で、バタイユにとってラスコーの絵画は、「壁画」であり、決してたんなる絵画ではなかった。彼は写真によって映し出されるイメージについて論じながらも、決して写真的な知覚には還元できないような洞窟という暗闇の中でのイメージ経験について明らかにしているのである。彼にとって、洞窟内のイメージは、決して写真のように固定されたものではなく、絶えず時間的・空間的に変化してく運動的イメージだったのである。本発表では、バタイユがラスコー壁画によって如何なる芸術論を生み出したのかを明らかにするとともに、洞窟という特異な空間が生み出す写真化不可能なイメージ経験について論じる。
    • 発表2
      • 15:20-16:00 佐藤守弘(京都精華大学デザイン学部)「福原信三の巴里――断片のトポグラフィ」
        • 福原信三(1883-1941)は、資生堂の創業者の息子で、初代社長でありながら、一方では1920年代のアマチュア写真家を代表する人物としても知られている。「光と其諧調」という写真論を発表し、『写真芸術』誌を創刊、また日本写真会を結成することになる彼の出発点が、1913年にアメリカ留学の帰途のヨーロッパ周遊の際に撮影した写真群であった。1922年に彼が限定版で刊行した写真集『巴里とセーヌ』は、パリで撮影された膨大なネガから厳選された24枚で構成され、ピクトリアリズムとモダニズムの橋渡しをする重要な作品として評価が高い。本発表では、『巴里とセーヌ』に収められた24点の写真作品を詳細に読み解き、福原がパリという都市をどのように表象したのかを探りたい。
    • 質疑応答(全体討論)16:15-17:15