『懐かしさは未来とともにやってくる』

新潟大学の新潟地域映像アーカイブのプロジェクトが中心となって編纂された書籍の一章を担当しました。

http://www.amazon.co.jp/dp/4762024015/

地域に残された映像資料は、地域社会の過去の姿を伝える貴重な文化財であり、地域に対する我々の認識を捉え直し、未来の地域の進むべき方向を指し示す重要な材料である。
「地域映像アーカイブ」は、2008年度より活動をはじめた、地域の映像資料の収集や保存、整理、公開、活用についての実践を進めている、新潟大学人文社会・教育科学系地域映像アーカイブセンターを中心としたプロジェクト。
その活動をまとめ、さまざまな角度から地域の映像アーカイブについての実践、研究を論じる。
今後の映像アーカイブの振興や発展を考えるための1冊。

  • 目次はこちらから→http://www.gakubunsha.com/cgi-local/search.cgi?id=book&isbn=978-4-7620-2401-6。ただし目次には著者が掲載されていないので、以下に付けておきます。
    • 第1部 「にいがた」という地域の映像を分析する  
      • 第2章 事例としての「にいがた」―地域の映像をめぐる4つのフェーズ― (原田健一) 
      • 第3章 小さなメディア?,絵葉書  (石井仁志)
      • 第4章 地域の肖像 ―新潟県観光映画と中俣正義  (石田美紀) 
    • 第2部 映像をデジタル化し共有化する 
      • 第5章 地域の映像をどのように整理し使うか (高橋由美子
      • 第6章 映像のインデキシングの実際 (中村隆志) 
      • 第7章 デジタル映像アーカイブをめぐる知的財産としての権利 (古賀豊)  
    • 第2部 映像をデジタル化し創造する   
      • 第8章 動画,音声のデジタル化の実際 (松本一生、渡辺一史
      • 第9章 デジタル映像の展示の可能性 ―「今成家写真」展における映像アーカイブ資料の活用を事例として― (榎本千賀子)
      • 第10章 共有化される映像展示の場所 (石井仁志) 
      • 第11章 美術館において写真のアーカイブは成立するのか? (金子隆一
    • 第3部 アーカイブでつなげる  


僕は、写真論におけるアーカイブ論の重要な論文2本--ロザリンド・クラウス「写真のディスクール空間」とアラン・セクーラ「身体とアーカイブ」--を紹介して、それぞれの理論を僕自身の研究対象、すなわち横浜写真アルバムと鉄道写真コレクションに援用するといった文を書きました。


また告知しますが、全国各地でこの本にまつわる講演会、シンポジウムなどが企画されます。何卒よろしくお願いいたします。