『植民地主義写真』
Colonialist Photography: Imag(in)ing Race and Place (Documenting Theimage, 9)
- 作者: Eleanor M. Hight,Gary D. Sampson
- 出版社/メーカー: Routledge
- 発売日: 2002/06/13
- メディア: ハードカバー
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エレノア・M・ハイト、ゲイリー・D・サンプソン編『植民地主義写真:人種と場所を描出/想像〔Imag(in)ing〕する』
- エレノア・M・ハイト、ゲイリー・D・サンプソン「序:写真、『人種』、ポスト植民地理論」
- ブレンダ・L・クロフト「霊を休息させる」
- ジュリア・バッレリーニ「写真でヌビア人を書き直す:マクシム・デュ・カンの『文化的憂鬱症』」
- ジョン・ファルコナー「純粋な篤志事業:『インドの民』の出版史」
- ゲイリー・D・サンプソン「植民地的ピクチャレスクを暴露する:サミュエル・ボーンのバラックポール公園の写真」
- アイシュ・エルドグドゥ「他者性を描く:オスマン人男性のヴィクトリア期タイプ〔人種類型〕写真における表象の戦術」
- エレノア・M・ハイト「ベアトの『美人』の幾多の人生」
- レベッカ・J・デルー「植民地的採集:フランス人女性とアルジェリアの絵葉書」
- マイケル・ヘイズ「写真と太平洋クルーズの登場:植民地写真における表象の危機を再考する」
- パトリシア・ジョンソン「楽園を広告する:美術、人類学、商業写真におけるハワイ」
- アンドリュー・エヴァンズ「人種を捉える:第一次世界大戦のドイツとオーストリアの捕虜キャンプにおける人類学と写真」
- キム・シケル「ジェルメーヌ・クルルと『黒い友情〔L'Amitie noire〕』:第二次世界大戦とフランスの植民地主義映画」
- オスカー・ヴァスケス「『よりよき住処』:政府機関の写真とプエルト・リコのヒバロ〔スペイン系移民〕の変容」
2002年に出た植民地主義写真についての論集。見過ごしていた、やばい。博論の横浜写真についての章で扱ったフェリックス・ベアトはもとより、言及しているマクシム・デュ・カンやサミュエル・ボーンについての論文が載っている。
これまでにも何冊か紹介してきたように、人類学写真というのは、人類学研究においても写真研究においても、いわば颱風の目みたいなもんだから、いろいろ論文は出ているのだが、スピヴァクなどのサバルタン・スタディーズの影響を受けた論文が入ってきたり、また扱う時期も19世紀だけでなく、第二次大戦まで含むなど、この研究領域もまだまだ深化し続けているようだ。早速、読まなければ。