『二つの美術史--美術館と大学』
The Two Art Histories: The Museum and the University (Clark Studies in the Visual Arts)
- 作者: Professor Charles W. Haxthausen
- 出版社/メーカー: Clark Art Institute
- 発売日: 2003/01/11
- メディア: ペーパーバック
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チャールズ・W・ハクソーセン編『二つの美術史--美術館と大学』
- チャールズ・W・ハクソーセン(C. W. Haxthausen)「序文」
- 1,二つの美術史:さまざまな視点
- ステファン・デュシャール(S. Deuchar)「誰の美術史?:1980年代、90年代のイギリスにおけるキュレーター、大学人、美術館観客」
- アイヴァン・ギャスケル(Ivan Gaskell)「巨大で悪しきアートの世界(the Big Bad Art World)における寛容さとパラノイア」
- アンドレアス・バイヤー(Andreas Beyer)「大学における実践と展覧会における実践との間に:ルネサンス研究の場合」
- ドーン・エイズ(Dawn Ades)「ラテン・アメリカ美術における歴史(Histories)を構築する」
- シラビル・エバート=シファラー(Sybille Ebert-Schifferer)「美術史とそのオーディエンス:ギャップと架け橋の問題」
- バーバラ・マリア・スタフォード(Barbara Maria Stafford)「www.display:美術史のフォーマットを複雑化する」
- 2,言説的媒体としての展覧会
- 3,印象派:大人気展(Blockbuster)と修正主義的研究
- リチャード・R・ブレッテル(Richard R. Brettell)「殺人か、検屍か、解剖か?--美術史は芸術家をバラバラにする:エドガー・ドガとクロード・モネの場合」
- グリゼルダ・ポロック(Griselda Pollock)「不在の歴史が遅ればせながら宣言される(A History of Absence Belatedly Addressed):マリー・カサットとともにある/を除いた美術史」
- ゲイリー・ティンテロウ(Gary Tinterow)「大人気展、美術史、公衆:『印象派の起源』の場合」
- ジョン・ハウス(John House)「修正主義的大人気展の可能性:『風景/フランスの印象』」
- マイケル・F・ジンマーマン(Michael Zimmermann)「苦悩の友情:ドイツにおけるフランス印象派」
- リチャード・ブリリアント(Richard Brilliant)「あとがき」
内容は未読のため、誤訳しているかもしれないけど。
特に第三部は、印象派の問題を扱っている。日本でも印象派といえば、途轍もなく人が入る訳だが、イギリスでも同じみたいで、「blockbuster」という表現でそれが分かる。美術館にとっては、ドル箱ということか。一方で、印象派を含む19世紀美術史とは、ニュー・アート・ヒストリーの震源地であった訳で、修正主義(rivisionism)という言葉が対立項としてあげられている。いわば闘争の場である訳だろう。この両面性を、どうやら第三部は扱っているようである。