『場所を描写=想像する--写真と地理学的想像力』
- 作者: James R. Ryan,Joan M. Schwartz
- 出版社/メーカー: Tauris Academic Studies
- 発売日: 2003/04/19
- メディア: ペーパーバック
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
ジョン・M・シュワルツ、ジェームズ・R・ライアン編『場所を描写=想像〔picturing〕する--写真と地理学的想像力』
- ジョン・M・シュワルツ、ジェームズ・R・ライアン「写真と地理学的想像力」
- 1,場所を描写=想像する
- M・クリスティン・ボイヤー「ミシオン・エリオグラフィック--建築写真、集団的記憶、フランスの歴史遺産:1851年」
- マリア・アントネラ・ペリツァーリ「ローマの輪郭を再トレースする--19世紀写真における間テクスト性と心象地理」
- デイヴィッド・E・ナイ「永遠を視覚化する--グランド・キャニオンの写真的構築」
- デボラ・チェンバース「場所としての家族--家族写真アルバムと私的空間・公的空間の馴化〔domestication〕」
- 2,ネーションを縁取る
- 3,植民地的遭遇
- デレク・グレゴリー「まなざしの皇帝たち--エジプトにおける写真の実践と空間の生産:1864〜68年」
- アリソン・ブラント「家庭と帝国--『ラックノウ・アルバム』におけるイギリスの家族の写真:1856〜57年」
- エリザベス・エドワーズ「空間を交渉する--西太平洋におけるいくつかの写真にまつわる事件:1883〜84年」
- エピローグ
- ウィリアム・J・ミッチェル「驚異の部屋からワールド・ワイド・ウェブへ--ポスト写真時代において場所を描写=想像すること」
例えば人類学写真、医学写真、司法写真に比べると、これまで比較的等閑視されてきた地理学と写真(あるいは風景写真)について、おそらくはじめて向かい合った論集である。写真史/視覚文化の論者と地理学研究者が半々くらい。19世紀、すなわち初期写真と植民地主義の時代に焦点を合わせた論文がほとんどである。興味深いのは、家族写真を採り上げた論文が二本所収されていること。場所の描写ということで考えると、アカデミックな領域だけではなく、当然ヴァナキュラーな「風景写真」も問題の中心となってくるのだろう。